神奈川県平塚市の家
所在地:神奈川県平塚市
延床面積:115.69㎡
竣工:2020年4月
相模湾から徒歩5分、潮風の吹く穏やかな住宅街に位置し、豊かなワンルームのLDKを内包する個人住宅です。

建築家による解説
用途地域は第1種中高層住居専用地域。構造は在来木造の2階建てです。外観は、中央の「黒い塊」を外側の「白い塊」が囲うような形態で全体が成立しています。大小の四角い開口が全体イメージを作る一つの要素になっています。
ゾーニングは、一階に主寝室とWic(ウォークインクローゼット)。同じ広さの子供部屋が2つと、玄関、Sic(シューズインクローゼット)、洗面、浴室、トイレです。各部屋はコンパクトにまとめられながら、収納能力を重視してプランニングしています。主寝室とWicと廊下は、ぐるぐる回れる回遊形式にあえてする事で、面白さや便利さを意図的に作り出しています。
二階はワンルームのLDKとパントリー、バルコニー、トイレを効率的に配置しています。LDKはワンルームでありながら、天井の高さと仕上げを変える事で、その場所のキャラクターをあえて際立たせるようデザインしています。屋根の構造材がそのまま仕上げになっている表し天井や、随所に仕込まれた間接照明が空間のアクセントになります。屋上はワンルームのルーフバルコニーを計画しています。富士山も見える広いルーフバルコニーは生活の中に豊かさを与えます。
外観(昼)
中央の「黒い塊」を外側の「白い塊」が囲うような形態で全体を構成しています。外観(夕景)
大小のスクエアな開口が内部の照明によって印象的に浮かび上がります。ファサード
壁をくり抜いたような黒い額縁です。内部から見ると周囲の環境を黒い額縁で縁取ります。外観(昼)
中央の「黒い塊」と外側の「白い塊」の構成が立体的に確認出来ます。外観(昼)
大小のランダムな四角い窓が建物の印象を作ります。外観(夕景)
大小のスクエアな開口が内部の照明によって印象的に浮かび上がります。リビング
床はヒッコリーの突き板フローリング。壁はSOLIDOのセメント。天井は構造材表しの表し天井。天井高さは3m。リビング
縦型ブラインドで内部に入ってくる光量を調整します。リビング
間接照明が表し天井を印象的に照らします。ダイニング
ダイニングの天井は構造材に塗装をかける事で、リビングとの違いを作り出し、それぞれの場所のキャラクターを引き立てています。リビングの表し天井
屋根を支えている構造材をそのまま仕上げに転用しています。コストにも貢献します。リビングの表し天井
随所に仕込まれた間接照明が表し天井を照らし、様相を変化させます。リビング
手前がリビング。奥の右がキッチン。奥の左がダイニング。ハイサイドライト
キッチン前の吹き抜け上部にはハイサイドライトが仕込まれていて、キッチンへ適度な優しい光を運びます。玄関
左がSic。奥が子供部屋。床はモルタル風の600角タイル。壁と天井はビニールクロス仕上。Sic
奥が玄関。床はモルタル風の600角タイル。左側の有孔ボードと右側の黒い可動棚がポイントになり空間を引き締めています。主寝室
奥がWic。主寝室とWicと廊下が回遊式になっていてグルグル回れるようになっています。洗面
シンプルに白をベースにまとめられています。洗面台は特注で製作しました。ガスの衣類乾燥機「乾太君」を備え付けました。キッチン横のパントリー
棚は全て可動式で大容量の収納能力を完備しています。バルコニー(2F)
縁取ったようなフレームは周囲の風景を切り取る役目を果たします。ルーフバルコニー(屋上)
広いルーフバルコニーは多目的に使用が可能で生活に豊かさを付加します。